2016年12月09日(金)

来年も「アクセシビリティの祭典」やります!

これは、Web Accessibility Advent Calendar 2016の9日目のエントリーです。
NPO法人アイ・コラボレーション神戸の理事長をやらせてもらってます板垣と申します。
初めてのエントリーで何を書こうか迷ったのですが、まずはぼくとアクセシビリティの出会いを文にしてみようと思います。
誰が興味あんねん!とか言わないでくださいね。

ぼくは先天性の障害をもっており(簡単に言うと体の節々の関節がかたーい症状)、良くなることもなく、悪くなることもなく、33年間生活してきました。

子供の頃は、父母姉の助けもあり、なんなく過ごせてきましたが、二十歳になり、大学やら就職やら行き先が見つからず、初めて障害というものと向き合いました。
ハンデを背負って生きていくというのは、こんなに大変なものなのかと路頭に迷っておりました。

生活面では、兵庫リハビリテーションセンターで2年間、自立訓練を受け、ADLはこなせるようになり、車の免許も取得できたりと、親の手を借りずに過ごせるようになりました。

しかし、生活するには金がいる。仕事を探さねば。

合同就職面接会に行ったり、求人票を探し直接面接の申し込みに行ったりと、色々受けましたが、全すべり。今や笑い話です。
そんな時、当時通っていた職業能力開発校の担任に、アイ・コラボレーション神戸(以下、アイコラボ)の求人票をいただき、その日にハローワークに行き、面接の申し込みをしました。

今から11年前、晴れて仕事が見つかりました。

ぼくが入ったときからアイコラボではアクセシビリティに力を入れておりました。と言うのもアイコラボはスタッフの大半が何らかの障害を持っており、当事者の特性を活かし仕事をするといった方針で活動しておりました。(現在進行中です)

正直に申しまして、当時のぼくは、アクセシビリティというものに全く興味がありませんでした。
コントラストなどは薄くても気にせず見れますし、小さいボタンでもクリックはできてました。ましてや画像に説明を記載できるなんて想像もしてませんでした。
自分には必要ないものと思っておりました。

2010年、JISの改定やみんなの公共サイト運用モデルがでたことによって、アイコラボでも本格的にアクセシビリティ事業に取り組むようになり、ぼくのアクセシビリティに対しての考え方も徐々に変わってきました。
自分が見れる出来るからそれでいいんじゃなくて、ほんまにホームページを見るときに、ほんまに困ってる人がいるということを目の当たりにしたので、サイトを作る立場でもあるので、この自己中な考え方はダメだと思い始めてきました。

一番衝撃的だったのが目が見えない人、目が見えにくい人のユーザ評価をしたときでした。
スクリーンリーダー?alt属性??ん???って感じでした。
きちんとマークアップされているサイトに関しては、見事にすらすら閲覧されていってるのを見て開いたくちが閉まりませんでした。

さらに、ユーザ評価を重ねていき、高齢者、ストレッチャーのまま指に小さなマウスをはめてpcを操作、ストレッチャーのままwindowsの音声入力で閲覧、足でマウスキーボードを操作、ジョイスティックマウスで操作、くちにステッキをくわえてテンキーでの操作、たくさんの閲覧環境があることを知りました。

圧巻でした。

なんなく操作してはるんですが、やはり見にくいサイトはたくさんあると色々文句を言ってはったので、これではいかんと改めて思いました。

それからはほんまにどんなサイトでもアクセシビリティを意識するようになり、中には、板垣は厳しすぎるとかもいただいております笑

先日、神戸市さんのサイトがリニューアルされましたが、神戸市さんにおかれましてはアクセシビリティを真剣に取り組まれております。
ここ5年、JIS試験、ユーザ評価、職員研修をされていて、今回のリニューアルも長年取り組んでこられたユーザ評価の結果を取り込まれた結果のリニューアルとなっております。

最近ではアクセシビリティが世に広まりだして、真剣に考えておられる自治体さんや業者さんが増えましたが、昔は中々話を聞いてもらえずや、聞いてもらってても、あー、知ってる知ってる、大事ですよねー。止まりとかがよくあったように覚えてます。

悔しかったです。筋違いかもですが腹も立ちました。

そうゆう経験もして、もっともっと広めないといけない、大事なことなんだと知ってもらわないといけない、みんなで盛り上げていこう!と思い、「アクセシビリティの祭典」というものを立ち上げました。

「第1回アクセシビリティの祭典」は2015年2月3日に開催いたしまして、キャッチコピーに「アクセシビリティ=マシンリーダブル」とゆうのを設け、100人前後のお客さんに来ていただきました。
仕切りをつくり、セッションと展示ブースを同時にしており、どっちも聞きたい見たいという方には多少しんどい思いをさせてしまったかもしれません。
ですが、セッションで登壇いただいた方々や展示に出展していただいた方々がほんまに素敵で素晴らしくてかっこよくて、もうたまらんでした!

「第2回アクセシビリティの祭典」は今年の5月19日のGAADの日にさせていただきました。
新JISの発表後ってゆうのもあって、大盛況でした。
アクセシビリティ基盤委員会の方々にも来ていただき、ここが変わった新JISのお話や神戸市サイトリニューアルの裏側、アクセシビリティとUI.UXのお話をしていただきました。

そもそもなぜ、このような祭りを始めたかといいますと、1番はなんか楽しいことしたいなというのと、関西でももっと浸透してほしい気持ちと、広まらない理由は福祉と捉えられがちではないかと思ったからです。

いずれ高齢者になりますし、いつ怪我病気になるかも、みんなに大事なことだと知ってほしかったからです。
かといって、アクセシビリティという言葉をいきなり突きつけられても引かれるだけなので、物も見せてしまおうとなり、展示も同時にすることにしました。
展示ブースを周られてる方たちにも、新たな発見ができたや、うちの子供に使えるかもや、次のバージョンがでたら教えてなどの感想もいただきました。

そして来年もします!

開催日は2017年5月18日、サロンパスの日です!
今年も盛大になるよう皆様、ご尽力いただければ大変うれしく思います!
こうゆう場で、ほんま厚かましいことをお願いしてしまいますが、スポンサー様になっていただける方を探しております。
スポンサーになってあげてもいいよとおっしゃっていただける方は是非、ご一報をいただければ幸いです!

アクセシビリティとぼくというタイトルで走りきろうとしましたが、最終的にスポンサー募集になってしまったことをお詫び申し上げます。

最後に、アクセシビリティを通じて知り合いになれた方々に感謝をし、またこれからもアクセシビリティ界を盛り上げていけるよう全力疾走します。

今後とも末永くお付き合いいただければ幸いです。