2019年12月16日(月)

アクセシビリティの祭典2020

これは、Webアクセシビリティ Advent Calendar 2019、16日目の記事です。

みなさまこんにちわ。
NPO法人アイ・コラボレーション神戸の板垣です。


時間がたつのはほんまにあっという間でして、「もう年末か」と毎年言っているように思います。
寒い日が続いておりますが、みなさまお変わりございませんか。

ここ数年、毎年こちらのアドベントカレンダーで「来年もアクセシビリティの祭典やります!」と宣言して、ここから準備を始めさせていただいている気がしています。ということで、今年もこちらで宣言させていただこうと思います。

2020年も、アクセシビリティの祭典やります!!

さて、来年の祭典は、遠方の方々にもお越しいただきやすいように、「5月22日(金曜日)」に開催いたします。「Global Accessibility Awareness Day (GAAD)」である5月の第3木曜日(5月21日)には、夜に前夜祭を考えています。

そして、アクセシビリティの祭典は、来年で6年目ということで、リニューアルを予定しています。

アクセシビリティの祭典はこれまでの5年間、アクセシビリティの普及を目指し、アクセシビリティの普及を世界全体で考える「Global Accessibility Awareness Day (GAAD)」に合わせて5月の第3木曜日に開催してきました。

今年はステップアップして、「イノベーションを創造し、社会課題の解決を通じてアクセシビリティの発展を目指す」ことを目標に開催いたします。それが近い将来、より多くの障害者の自立に繋がれば、これ以上の幸せはございません。

主催の「チームアイコラボ」には、多様な障害当事者がいます。身体障害、視覚障害、聴覚障害、精神障害、知的障害、発達障害…etc。そして、そのそれぞれの中にも、さらに多様な障害があります。それは多様性が必要となった日本、高齢化先進国の日本にとってのリードユーザーであると思われます。

「障害者&Web・AI・IoT」「障害者&イノベーション」「最新の支援技術」、これらにご興味のある方、ぜひ障害当事者たちが描くアクセシビリティの近未来のセッション・展示をご覧にお越しください。

【開催概要】

◎イベントタイトル

リニューアル!6thアクセシビリティの祭典
Web・AI・IoT「障害者集団」が提案するアクセシビリティの近未来
~イノベーションを創造して社会課題の解決を目指します~

◎日時

2020年5月22日(金曜日) セッション:13時~18時30分(予定) 展示:12時30分~17時(予定)

◎場所

公益財団法人 神戸いきいき勤労財団 7階大ホール
〒651-0096 兵庫県神戸市中央区雲井通5丁目1−2 7階

◎アクセス

市営地下鉄・JR・阪急・阪神・ポートライナー各三宮駅から東へ徒歩5分

◎主催

チームアイコラボ(事務局:NPO法人アイ・コラボレーション神戸)

◎アクセシビリティの祭典 前夜祭

Global Accessibility Awareness Day 2020年5月21日(木曜日)19時~21時(予定、場所未定)

といようなことを考えています。

弊所にとって、リニューアルは大きなチャレンジになりますが、ご来場者の皆様には気楽にお越しいただき、失敗やおっちょこちょいな部分もあるかと思いますが、そんなときは笑ってやってください!

それでは、2020年5月22日(金曜日)、祭典会場でみなさまにお会いできること、楽しみにしております!

明日はDaikiTakemotoさんの記事です。よろしくお願いします!

2018年12月10日(月)

アクセシビリティの祭典2019

これは Webじゃないアクセシビリティ Advent Calendar 2018 10日目の記事です。

みなさま、めちゃめちゃ寒くなってきましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

NPO法人アイ・コラボレーション神戸の板垣です。

毎年恒例になってきましたが、今年のアドベントカレンダーもアクセシビリティの祭典に関してのご案内をさせていただきます。

今年の祭典は、過去最高の300人近くの方々にご来場いただきました。
僕的には今年の祭典では、来場者・登壇者含め、当事者の参加が増えたことがすごくうれしかったです。
当事者がいろんなことに挑戦し、参加し、しゃべりまくっていろんな人と友達になるべきだと思っており、僕自身もどんな遠いとこでもどんなへんぴなとこでも楽しそうなら必ず行くようにしてます。
ですので当事者の参加が増えたこと、ほんまに嬉しかったです!

また、ご協力いただいた方々も平日にも関わらずたくさんの方にお手伝いいただけて、無事に第4回目を盛況で終えることができました。

この場を借りて、祭典に携わっていただいた方々にお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

アクセシビリティの祭典2018のサイトはこちらから
サイトのデザイン、制作は時代工房さんにご協力いただきました。

そしてそして、来年のGAADも、アクセシビリティの祭典2019を開催いたします!

来年の祭典も展示とセッションを準備し、展示では福祉機器や機能拡張、視線入力装置、脳波ヘリや支援技術を多数ご出展いただく予定です。

また、今年の8月に開催しました「わたし達の未来をつくるアイデアソン・ハッカソン」で開発していただいたものも展示させていただきます!

セッションでは、前半でいろんな当事者の方に、どのような機器を使用しているかや、いまの最新情報をお話いただき、後半は技術者の方や制作会社さん、web担当者の方のお話や、また今年もプロレス見たいなとひそかに考えております笑

会場は、学生さんにもたくさん来てもらいたいというのもあり、学校やキャンパスを探しております。

また2020年のオリパラや、2025年には万博開催が決定し、海外の方にもお越しいただきたいと思っておりますので、ぜひお知り合いの方、ご友人、ご家族の方をお誘い合わせの上、お越しください。

アクセシビリティの祭典2019
福祉関係の方・技術製作者の方・制作会社の方・自治体の方・当事者・学生・海外の方etc、そんないろんな立場の方たちの集う場、語り合える場、仲良くなる場になれば本当にうれしく思います!

今年の反省点をしっかり改善し、素敵な場を提供できるよう精進いたしますので、何卒お力添えのほど、よろしくお願いいたします。

毎度毎度、厚かましくて申し訳ございませんが、アクセシビリティの祭典へご協力していただける方・企業さま・ボランティアさま、ご協賛していただける企業さまを募集しております。

もし協力してもええよという方がいらっしゃいましたら私板垣にご一報くださいませ。
itagaki@ickobe.jp

またSNSでもご案内いたしますのでご覧いただければ幸いです。
ツイッター
フェイスブック

今年ももうすぐ終わります、インフルエンザも流行ってきてますので、お身体ご自愛ください。

明日はjunnama.nodaさんの投稿です。お楽しみに!

2017年12月13日(水)

アクセシビリティの祭典2018

この記事は、Web Accessibility Advent Calendar 2017、13日目の記事です。

今年ももうすぐ終わりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
NPO法人アイ・コラボレーション神戸の板垣です。

主催させていただいている「アクセシビリティの祭典」について、今年も大変な盛り上がりの中、無事に開催できました。
弊所の運営は至らぬ所が多々ありましたが、盛況に終えることができたのは、ご協力いただいた皆様やご登壇いただいた皆様、ご出展いただいた皆様、ご後援・ご協賛いただいた皆様のおかげだと心から感謝しております。
アクセシビリティの祭典2017

アクセシビリティの祭典は、GAAD(Global Accessibility Awareness Day)に開催させていただいています。
GAADとは、全世界で「デジタル(web、ソフト、携帯電話など)のアクセシビリティと、さまざまな障害をもつユーザーについて語り、考え、学ぶ日」です。(出典:GAADサイト)

自治体・企業・制作会社・障害者支援施設などに属する方々、障害を持つ当事者など様々な立場の人が「展示を通じて新しいアクセシビリティ技術に触れて体感ができ、セッションを通じてアクセシビリティについて語り、考え、学ぶ」というお祭りを目指しています。

当初からの開催テーマは「アクセシビリティ=マシンリーダブル」でした。
マシンリーダブルとは、データやコンテンツなどがデジタル化されており、機械やコンピューターで直接読み取って利用できる形式であることです。(出典:デジタル大辞泉)

「アクセシビリティ=福祉」というイメージを変えたかったのですが、3年経った今では、技術の進化とともに「アクセシビリティ=マシンリーダブル」が当然な時代に変わってきたように嬉しく感じています。

そこで、来年のアクセシビリティの祭典はテーマを【わたしたちの未来をつくるアクセシビリティ】に変更いたします。

「アクセシビリティは世界を変える。アクセシビリティには世の中をもっとよくするパワーがある。」

アクセシビリティはウェブサイトに限らないと思います。
自分自身、スイス等の海外に行った際、ホテルの部屋は「Accessibility room」、飛行機でのトイレ移動時に聞いた言葉も「Accessible honyahonya」。そこら中がアクセシブルという言葉で溢れていると感じました。

今ではアクセシブルな技術も溢ていて、これまでできなかったことができる時代です。もう「自分のものは自分でつくる」ということが可能になってきました。

アクセシビリティでわたしたちがもっと世の中を良くする!
アクセシビリティでわたしたちが未来をつくる!

そんなテーマを考えながら、2018年5月17日(木曜日)〔GAAD〕に開催する「アクセシビリティの祭典2018」の準備を進めております。

わたしたちが!ということで、「わたしとアクセシビリティ」や「わたしのアクセシビリティ」「アクセシビリティなわたし」などの考えや想いを抱えている方たち(自分もそうです)に、その想いをお話しいただき、GAADに皆様と盛り上がれたら…と思っています。

ですので、この場をお借りして、【ライトニングトーク(LT)参加者を募集します!】

1日限りのイベントで、時間にも制約がございます。お申し込みが早い方順とさせていただきます。
※お申し込みいただいた方全員にお話いただくようさせていただきたいと思っておりますが、お話いただけない可能性もございますので予めご了承ください。

また2018年は、アクセシビリティの祭典本編でも、懇親会でもLT枠を設けさせていただきます!
お申込の際には「LT本編希望」「LT懇親会希望」の旨も合わせてお知らせいただければと思います。
※スポンサー様以外の方は、商品やサービスのPRは無しでお願いいたします。

申込先は私板垣にメールにてお伝えいただければ幸いです。

アイ・コラボレーション神戸 板垣
メール:itagaki@ickobe.jp

たくさんのご応募お待ちしております。

【わたしたちの未来をつくるアクセシビリティ】
アクセシビリティの祭典2018

来年の5月17日(木曜日)〔GAAD〕に大成功で終えれるように、今年の反省を踏まえて精進したいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします!

明日はkzakzaさんの投稿です。お楽しみに!

2016年12月09日(金)

来年も「アクセシビリティの祭典」やります!

これは、Web Accessibility Advent Calendar 2016の9日目のエントリーです。
NPO法人アイ・コラボレーション神戸の理事長をやらせてもらってます板垣と申します。
初めてのエントリーで何を書こうか迷ったのですが、まずはぼくとアクセシビリティの出会いを文にしてみようと思います。
誰が興味あんねん!とか言わないでくださいね。

ぼくは先天性の障害をもっており(簡単に言うと体の節々の関節がかたーい症状)、良くなることもなく、悪くなることもなく、33年間生活してきました。

子供の頃は、父母姉の助けもあり、なんなく過ごせてきましたが、二十歳になり、大学やら就職やら行き先が見つからず、初めて障害というものと向き合いました。
ハンデを背負って生きていくというのは、こんなに大変なものなのかと路頭に迷っておりました。

生活面では、兵庫リハビリテーションセンターで2年間、自立訓練を受け、ADLはこなせるようになり、車の免許も取得できたりと、親の手を借りずに過ごせるようになりました。

しかし、生活するには金がいる。仕事を探さねば。

合同就職面接会に行ったり、求人票を探し直接面接の申し込みに行ったりと、色々受けましたが、全すべり。今や笑い話です。
そんな時、当時通っていた職業能力開発校の担任に、アイ・コラボレーション神戸(以下、アイコラボ)の求人票をいただき、その日にハローワークに行き、面接の申し込みをしました。

今から11年前、晴れて仕事が見つかりました。

ぼくが入ったときからアイコラボではアクセシビリティに力を入れておりました。と言うのもアイコラボはスタッフの大半が何らかの障害を持っており、当事者の特性を活かし仕事をするといった方針で活動しておりました。(現在進行中です)

正直に申しまして、当時のぼくは、アクセシビリティというものに全く興味がありませんでした。
コントラストなどは薄くても気にせず見れますし、小さいボタンでもクリックはできてました。ましてや画像に説明を記載できるなんて想像もしてませんでした。
自分には必要ないものと思っておりました。

2010年、JISの改定やみんなの公共サイト運用モデルがでたことによって、アイコラボでも本格的にアクセシビリティ事業に取り組むようになり、ぼくのアクセシビリティに対しての考え方も徐々に変わってきました。
自分が見れる出来るからそれでいいんじゃなくて、ほんまにホームページを見るときに、ほんまに困ってる人がいるということを目の当たりにしたので、サイトを作る立場でもあるので、この自己中な考え方はダメだと思い始めてきました。

一番衝撃的だったのが目が見えない人、目が見えにくい人のユーザ評価をしたときでした。
スクリーンリーダー?alt属性??ん???って感じでした。
きちんとマークアップされているサイトに関しては、見事にすらすら閲覧されていってるのを見て開いたくちが閉まりませんでした。

さらに、ユーザ評価を重ねていき、高齢者、ストレッチャーのまま指に小さなマウスをはめてpcを操作、ストレッチャーのままwindowsの音声入力で閲覧、足でマウスキーボードを操作、ジョイスティックマウスで操作、くちにステッキをくわえてテンキーでの操作、たくさんの閲覧環境があることを知りました。

圧巻でした。

なんなく操作してはるんですが、やはり見にくいサイトはたくさんあると色々文句を言ってはったので、これではいかんと改めて思いました。

それからはほんまにどんなサイトでもアクセシビリティを意識するようになり、中には、板垣は厳しすぎるとかもいただいております笑

先日、神戸市さんのサイトがリニューアルされましたが、神戸市さんにおかれましてはアクセシビリティを真剣に取り組まれております。
ここ5年、JIS試験、ユーザ評価、職員研修をされていて、今回のリニューアルも長年取り組んでこられたユーザ評価の結果を取り込まれた結果のリニューアルとなっております。

最近ではアクセシビリティが世に広まりだして、真剣に考えておられる自治体さんや業者さんが増えましたが、昔は中々話を聞いてもらえずや、聞いてもらってても、あー、知ってる知ってる、大事ですよねー。止まりとかがよくあったように覚えてます。

悔しかったです。筋違いかもですが腹も立ちました。

そうゆう経験もして、もっともっと広めないといけない、大事なことなんだと知ってもらわないといけない、みんなで盛り上げていこう!と思い、「アクセシビリティの祭典」というものを立ち上げました。

「第1回アクセシビリティの祭典」は2015年2月3日に開催いたしまして、キャッチコピーに「アクセシビリティ=マシンリーダブル」とゆうのを設け、100人前後のお客さんに来ていただきました。
仕切りをつくり、セッションと展示ブースを同時にしており、どっちも聞きたい見たいという方には多少しんどい思いをさせてしまったかもしれません。
ですが、セッションで登壇いただいた方々や展示に出展していただいた方々がほんまに素敵で素晴らしくてかっこよくて、もうたまらんでした!

「第2回アクセシビリティの祭典」は今年の5月19日のGAADの日にさせていただきました。
新JISの発表後ってゆうのもあって、大盛況でした。
アクセシビリティ基盤委員会の方々にも来ていただき、ここが変わった新JISのお話や神戸市サイトリニューアルの裏側、アクセシビリティとUI.UXのお話をしていただきました。

そもそもなぜ、このような祭りを始めたかといいますと、1番はなんか楽しいことしたいなというのと、関西でももっと浸透してほしい気持ちと、広まらない理由は福祉と捉えられがちではないかと思ったからです。

いずれ高齢者になりますし、いつ怪我病気になるかも、みんなに大事なことだと知ってほしかったからです。
かといって、アクセシビリティという言葉をいきなり突きつけられても引かれるだけなので、物も見せてしまおうとなり、展示も同時にすることにしました。
展示ブースを周られてる方たちにも、新たな発見ができたや、うちの子供に使えるかもや、次のバージョンがでたら教えてなどの感想もいただきました。

そして来年もします!

開催日は2017年5月18日、サロンパスの日です!
今年も盛大になるよう皆様、ご尽力いただければ大変うれしく思います!
こうゆう場で、ほんま厚かましいことをお願いしてしまいますが、スポンサー様になっていただける方を探しております。
スポンサーになってあげてもいいよとおっしゃっていただける方は是非、ご一報をいただければ幸いです!

アクセシビリティとぼくというタイトルで走りきろうとしましたが、最終的にスポンサー募集になってしまったことをお詫び申し上げます。

最後に、アクセシビリティを通じて知り合いになれた方々に感謝をし、またこれからもアクセシビリティ界を盛り上げていけるよう全力疾走します。

今後とも末永くお付き合いいただければ幸いです。

2014年12月19日(金)

アクセシビリティ=マシンリーダブル

これは、Web Accessibility Advent Calendar 2014の19日目のエントリーです。
日に日に(私の)緊張感が高まり、ついにエントリーした19日目となりました。

テーマは「アクセシビリティ=マシンリーダブル」です。広く普及した言葉ではないですが、このブログを読んでくださる方の多くは、ご存知なのではないでしょうか。

情報バリアフリーポータルサイトの作成や更新を担当する弊所(NPO法人アイ・コラボレーション神戸)には、肢体不自由・視覚障害・知的障害・精神障害など、何らかの障害手帳を持つ人が12名勤務しています。
障害を価値として障害特性を活かして、ユーザ評価・試験・ウェブアクセシビリティ対応のサイト制作など、アクセシビリティに関する対応業務を行っています。
以下は先日行ったユーザ評価の中で公開OKと言ってくださった方の写真です。口に棒をくわえて、テンキーで操作していらっしゃいます。
ユーザ評価風景写真

ユーザ評価をはじめアクセシビリティに関する事業を行う中で、自治体や社会福祉協議会さまから、JIS X 8341-3:2010の試験や、方針や運用ガイドライン作成をご依頼いただいたりします。弊所にご依頼くださるお客様は、ありがたいことに「当事者の意見が聞きたいから」と言ってくださいます。

そこで方針やガイドライン作成についての打合せで、実装項目と理由をご説明し、対応をご相談します。一部をピックアップしてご紹介します。

  • 私:「文字色と背景色のコントラストが足りなくて、見にくい箇所がありますね。」
  • お客様:「ああ、見にくいですね。高齢者や視覚障害者の方はもっと見にくいですよね。直します。」

コントラストは、ご理解していただきやすいような気がします。
ただ、構造化というのが、なかなか難しいです。比較的ご理解いただきやすい「見出し」の場合…

  • 私:「見出しタグがきちんとついてません。見出しタグがあればブラウザやスクリーンリーダーで文章を読み飛ばすことができますが、それができない状態です」
  • お客様:「CMSを改修するのでテンプレートを用いたページと新しいページは改善できます。ただ、古いファイルすべてに見出しをつける修正は困難です。」
  • 私:「古いファイルでも、アクセス数が多いファイルについては対応する等は難しいでしょうか?」
  • お客様:「スクリーンリーダーを使ってる方すべてが見出しタグを読み飛ばす機能を使っていて、無いと困る状態なら、アクセス数と言わず、大変でもウン万ページすべてやりますが、どうですか?」
  • 私:「私の知っている全盲の方々では、三分の一以上くらいの割合で使っていますが、すべて…ということはないです…。でも、増えてます。」
  • お客様:「では、過去のファイルについてもアクセス数上位からできる限り対応し、毎年継続してその作業をしていくことで、見出しタグがきちんとついてるファイルを増やしていきます」

という、やりとりをしたことがあります。

本当に素晴らしいお客様で、ご予算と職員のご負担を考えると、結果的には無理をしすぎずに継続していただける良いところに落ち着いたと思うのですが、私自身がダメダメだなぁ、と思います。福祉という方向性で話を進めると限界を感じます。

高齢者や障害者の方々の現状に合わせるのは大事ですが、それでは理解しにくい項目がJIS X 8341-3:2010には多くあり、現状ではまだスクリーンリーダーが対応していない項目やユーザが実践していない項目もあるのではないかと思います。

「アクセシビリティ=マシンリーダブルへの想い」

福祉という切り口では限界を痛感したので、今はマシンリーダブルという価値観を共有したいと考えるようになりました。
障害者といわれる人は、視覚障害を持ってスクリーンリーダーを利用している人だけでなく、身体不自由で、視線で操作している人や、音声で操作している人や、様々な人がいます。
以下はWindowsの音声認識機能の写真です。
スクリーンショット

特に音声での操作について、今では多くの人が使用しているスマートフォンにも音声操作機能があるので、一般の方にも馴染み深いと思います。
以下は私のiPhone6のsiriの写真です。
ご用件は何でしょう?

自分はスマートフォンの音声操作機能を使っていないと言う方も、ウェアラブルデバイスが主流になれば、音声操作が今より普及し、使用するケースが出てくるかもしれないし、新しく視線操作なんて機能がつくかもしれない。さらに、もしかしたら、脳波で操作なんて未来的なデバイスが出てくるのかもしれないです。

さまざまなデバイスやソフトが、人間が情報を取得して操作することを助けていて、誰もがその恩恵をうけています。デバイスやソフトの開発には世界標準といえる仕様や規格があり、情報を公開するのにも仕様や規格があります。それがWCAG2.0(日本語訳)であり、WAI-ARIA1.0(日本語訳)であり、 ISO/IEC 40500:2012(WCAG2.0と同じ内容)であり、日本ではJIS X 8341-3:2010であると思うのですが、なかなか理解が難しいような気がします…。

「アクセシビリティ=福祉」は間違ってはいないけれども、それだと特別な配慮になってしまうので、「アクセシビリティ=マシンリーダブル」を体感してもらえる方法はないかと悶々と思った挙句、イベントを企画しました。

「アクセシビリティの祭典にご協力お願いします」

長々となりましたが、実は告知と募集です。
2015年2月3日火曜日に神戸で「アクセシビリティの祭典~テーマ:アクセシビリティ=マシンリーダブル~」というイベントをする予定です。

音声で操作するデバイスやソフト、視線で操作するデバイスやソフト、脳波で操作するデバイスやソフトを展示したいと思い、メーカーさんに展示をお願いするにあたり、チラシを作成しました。
アクセシビリティの祭典チラシのぼやけたイメージ写真

また、セミナーや対談なども行いたく、メインの対談はこちらの予定です。
「メイン対談テーマ:未来のアクセシビリティを考える」
(ウェブアクセシビリティ) 株式会社インフォアクシア 代表取締役 植木 真様 & (ウェアラブルデバイス)神戸大学大学院工学研究科 教授 塚本 昌彦様
ファシリテーター バスタイムフィッシュ代表 村岡正和様

詳細は以下

まだ企画中で、関西の方々のアイデアや協賛やご協力(ボランティアスタッフや告知のお手伝い)をしてくださる方を募集しています。今なら「こんな展示して(させて)」「こんなセミナーして(させて)」というご要望も歓迎です。もしもご興味がある方は、ぜひぜひぜひお気軽にご連絡ください。

アクセシビリティの祭典実行委員づくりを計画中ですが、準備期間中のお問い合わせは、情報バリアフリーポータルサイトお問い合わせページのメールフォームよりご連絡ください。「実行委員しますよ」という方も大歓迎です。お電話の方は078-302-9811(NPO法人アイ・コラボレーション神戸 北山)までお願いいたします。

北山ともこ